Ralph Alessi Only Many

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★ラルフ・アレッシのCAM JAZZ第二弾は、フレッド・ハーシュとのデュオ作品。
★フレッド・ハーシュと言えば、つい先月の、7年振りの来日公演が何と言っても記憶に鮮烈ですが、その演奏の素晴らしさに、ツィッターやブログでも、これ以上に無いとも思われる絶賛の言葉がよせられたのも、非常に印象深かったものでした。また、これこそ、目と耳の肥えたニューヨークのレーベル諸氏に“ミラクル!”と言わせるピアノか、と感嘆させられたものでもありました。
★本作は、そんなフレッドも完全復調を証明したPalmetto 作品“Alone at The Village Vanguard”(Solo作) と“Alive at the Vanguard”(Trio作)との、一連の時の流れの中で録音(2011年6月&2012年5月)された作品。
★アレッシ、ハーシュ2 人の出会いは、遡ることポケット・オーケストラでのことですので2008年くらいでしょうか?それからも共演を続け、来日直前にも、この2人でDuoコンサートも行い、ハーシュのトリオ+2のフロント・ミュージシャンとして、アレッシはフィーチャーされていて、既に録音もすんでいるという噂も飛びこんでおり、パーマネントな関係であることが伺えます。
★まずオープニング2曲でハッとさせられます。1曲目はイタリアのプレス・リリース曰く、“これから始まる2人の素晴らしい演奏に集中を促すような警告を与えるかのオープニング”、とのことですが、鋭く反応し合う2人の演奏は、確かに耳を引付けてやまず、続く2曲目の切なくも美しさ溢れる演奏と鮮やかなコントラストを描きます。アレッシは、いつになくエンリコ・ラバ辺りを思い起こさせもするメロディが溢れる演奏。それを包み込むハーシュのピアノの表情の豊かさは、やはり現代屈指のものと思わされます。
★14曲中2曲を除いて本人たちのオリジナル。モンクの言わずと知れたM-3 では追いかけっこをするような演奏が楽しく、ポール・モチアンのM-12 には2人のリスペクトの深さが感じられて、素晴らしく、その間を構成する8曲は、即興色が濃い演奏になりますが、核となる曲を素に発展させていく2人の演奏と、即興を旨とする演奏とのコントラストも興味深いものがあります。Ralph Alessi(tp), Fred Hersch(p)